サマーセッション(日本語・日本文化研修)
「同志社大学サマーセッション2024」開催報告
2024年7月9日から8月6日にかけての約4週間、国際教養教育院主催「同志社大学サマーセッション2024(日本語・日本文化研修)」を実施しました。8年振りに今出川キャンパスで開催し、中国・チェコ・台湾・アメリカから18名の参加がありました。
日本語授業に加え、京都の伝統文化と生活を学ぶ授業、祇園祭をはじめとする京都や日本の文化を体験する学外での授業、伝統文化をさらに深く学ぶことを目的に、10名のゲストスピーカーを招いての特別授業も実施しました。最終日には、受講生それぞれの興味に応じて設定したテーマで日本語での発表を行いました。
期間中、50名を超える学生(本学と同志社女子大学学生)もボランティアのスタディーパートナーとして授業に参加し、会話練習などに加わりました。
前述した10名のゲストスピーカーを招いての特別授業は下記の通りです(実施順)。
「授業タイトル」/ゲストスピーカー- 「西陣織機織り作業場見学と授業」/西陣織帯職人 木村信男氏
- 「大船鉾会所・山鉾建て見学」/祇園祭大船鉾囃子方代表 吉井英雄氏
- 「合気道体験」/養神館合気道無限塾 ピーター・アンデルセン氏、片岡あおい氏
- 「京都の企業、日本の就職活動」/JT日本たばこ産業 岸本大治氏
- 「坐禅体験」/金剛山宝満寺住職 亀山博一和尚
- 「エコものづくり」/手作り自遊工房きままグループ 長沢峰子氏
- 「茶道体験」/茶道裏千家・直門・教授 松本宗栄氏
- 「和食づくり体験」/外国人向け料理教室協会(わしょクック)認定講師 綾部えり奈氏
- 「日本のきもの文化」/小紋屋高田勝三代目主人 高田啓史氏
- 「能への誘い」/能楽師シテ方観世流準職分 吉田篤史氏
受講者からは、「能の授業では、迫力ある舞の実演を鑑賞するだけでなく、実際に舞の動きや謡を習ったり能の面や装束を身につけたりなど、能という古典芸能を体験することができた」「合気道体験で、合気道は単なる技の習得だけでなく、心の修養や精神的な成長にもつながるという点に魅了された」「茶道の授業で茶室に入ると、静かで厳かで穏やかな時間を過ごすことができた。先生のご指導は、茶道の精神を理解する上で大変役に立った」「エコものづくりの授業によって環境問題への取り組みを学んだ。また廃材から可愛い飾り物を作るという活動の満足感や達成感は独特で、子供に戻ったような気がした」などの感想がありました。これらの授業では実技や体験を多く取り入れていたため、伝統文化や環境問題に対する理解が深まったと思われます。
さらに、「祇園祭の授業で、祭りの裏方の仕事を知って、鉾町の人々の祭りにかける情熱、鉾建ての伝統的技法に感銘を受けた」「西陣織の授業で、織物の美しさから京都のものづくり精神を理解した。同時に、織り手の高齢化や後継者不足、和服市場の縮小という伝統産業を取り巻く厳しい現状を知った」などの感想がありました。
受講生は、京都の伝統行事、存続の危機にある京都の伝統産業を継承するため、誇りや愛情、責任感や義務感を持って大変な努力を続けている方々の存在を知りました。加えて、京町家という伝統的家屋に足を踏み入れられたのもまたとない経験となり、単なる文化体験以上の学びがあったようです。
全日程終了後に受講生から寄せられたアンケートには、日本語授業について、「先生方は熱意を持って指導してくださった」、最終日の「成果発表会」について、「初めて日本語の発表ができた時は嬉しかった」という達成感、「日本語がかなり上達した」という満足感が感じられる感想がありました。各発表後は、質疑応答に代わり、発表のテーマに関連したトピックでグループディスカッションを行なったことで、「さまざまなトピックでカジュアルな雰囲気で意見交換ができて、とても楽しかった」という感想もありました。スタディーパートナーとの交流については、「この一ヶ月間のボランティアとの思い出は一生忘れられない宝物だ」との感想があり、受講生にとってかけがえのない交流の時間になったようです。
プログラム全体について、「人生の最も特別な経験の一つになった」「知識も得られたし、仲間との友情も得られた」という感想があり、90%以上の受講生が「このプログラムを友達や後輩に勧めたい」と回答してくれました。今後につながる成果が上げられたと考えています。
昨年までのオンライン開催とは異なり、今年は対面授業でのメリットを強く実感できました。一つは受講生同士やスタディーパートナーとの交流によって、仲間としての絆を深められたことです。もう一つは、本学が京都市の中心にあるという地の利を活かし、多数の伝統継承に携わる方々の授業が実施できたことです。受講生は、伝統継承者の作業場を訪問し、貴重な見学や体験の機会をいただき、伝統文化の奥深さを学ぶことができました。
国際教養教育院では、今後も受講生の希望に応えられる充実したプログラムを企画したいと考えています。
同志社大学サマーセッション2024(短期プログラム)について
同志社大学国際教養教育院のサマーセッションは日本語と日本文化を学ぶ短期プログラムです。
経験豊富な講師陣による少人数クラスで集中的に日本語を学ぶとともに、日本文化に関する講義やさまざまな文化体験を通して日本の文化・社会に対する理解を深めます 。
授業には同志社大学の学生がスタディパートナーとして参加し、みなさんの日本語学習をサポートします 。
世界中の学生と、日本文化の中心・京都で学んでみませんか?
たくさんのご応募をお待ちしています。
3月10日で応募を締め切りました。
選考結果は4月下旬にお知らせいたします。(3月11日更新)
- 【サマーセッション2024募集要項】
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出願条件
- 大学学部または大学院在学中の方、または大学卒業以上の方
- 日本語レベル:初中級~中上級程度(JLPT N4~N2 程度)
※初級およびN1 相当レベルは本プログラムの対象外です。
- ビザを自己取得できる方※応募多数の場合は、本学協定大学の学生を優先します。※海外居住でなくても出願できます。
プログラム期間
2024年7月8日(月)~8月7日(水)
費用
250,000円
定員
20名(最少催行人数10名)
出願期間(終了)
2024年1月16日(火)~3月15日(金)
申し込み多数の場合、締切日前に申込み受付を締め切る場合があります。
申し込み多数のため、3月10日にて申込受付を締め切りました。
申込手順
下記URLまたはQRコードよりオンラインで出願
Doshisha University 2024 Summer Session Application Form
1) パスポートコピー下記2点をオンラインにて提出
2) 志望理由書兼誓約書- 選考結果通知 (4月下旬)
- 受講料の納入をもって申し込み完了
【受講料納入期間】
2024年5月7日(火)~5月13日(月)
お問い合わせ |
国際教養教育院事務室 E-mail:ji-nbn@mail.doshisha.ac.jp |
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